料理

おいしい魚の見分け方 マグロ編

スーパーや鮮魚店にあるさしみ・柵の見分け方になります。

スーパーや鮮魚店の魚はすでに水揚げから数日経っている場合がほとんどです。なので、スーパーや鮮魚店で買う魚の鮮度は、味の上でとっても重要な要素のひとつなのです。

鮮度がいい=おいしい(スーパーで買う場合)

生マグロと冷凍マグロ

マグロには、生マグロと冷凍マグロがあります。

鮮度が高く、なめらかな舌触りと濃い旨味が、生マグロの特徴です。
冷凍マグロは生マグロに比べて旨味がやや落ちます。

スーパーなどで売られているマグロは、すぐに食べられる刺身の状態か、柵(トレイに入った長方形の切り身)で売られることがほとんどです。
柵の方が酸素にふれている面積が小さい分、鮮度の劣化が遅いです。

すぐに食べたい。包丁で切るのは面倒な方は、刺身を選ぼう。
できるだけおいしいのが食べたい。または、明日別の料理にも使いたい。たくさん食べたいという人は柵を選びましょう。

おいしいまぐろの見分け方 さしみ・柵

美味しいマグロは、スジ(赤身の間に入っている白いもの)の間隔や切られたときの断面でスジがどのように見えるか、またスジが薄いか厚いかどうかで見分けることができます。

見分けるポイントは

  1. 筋が平行で柵の形が長方形
  2. 赤身の部分が鮮やかな赤色
  3. ドリップが出ていない
  4. 赤や黒の斑点が出ていない
  5. 三角・かまぼこ型の柵が一番

柵でマグロを購入する場合は、筋が薄く、柵に対して平行(もしくは斜め)に筋が入っているものを選ぶ。筋が目立たないのもポイント。筋と筋の間が平行になっていれば、頭や体の中央部分ということ。尾に近くなるほど、筋が湾曲。柵の形も四角に切れなくなる。スジの幅が広いものは頭に近い部位なので脂は少なめ。脂が苦手な方にはお勧めです。

赤みの部分は透明感があり鮮やかな赤色をしているのが良い。脂が乗った部分は、うっすら白い脂が細かく入ってピンクに見えます。白い筋がはっきり見えるものは避けた方がいいでしょう。

刺身の場合は、身の色に注意を払うようにします。赤身もトロも良いものは、身の色に透明感があります。また脂が乗ったものは、透明感のある身の端に白っぽい脂肪の色が入っています。

パックにドリップ(赤い汁)が出ているのは、解凍の仕方が悪い、もしくは解凍後時間が経っているから。時間の経過したものほどドリップが出やすく、味も鮮度も落ちている。

解凍してどのくらい時間が経っているかは、サクや刺身の下に敷いてあるシートを見れば一目瞭然です。このシートに水分が多く含まれていたり、身の色が落ちて赤くにじんでいたりするものは選ばないようにしましょう。

時間がたってドリップが出てきてしまったヤツ

端が縮れていたり柵の端がだらんとしているのも避ける。

端が縮れているヤツ

マグロの身に黒や赤の斑点があるものは、できるだけ選ばないようにしましょう。これは血栓と呼ばれ、マグロの血抜きをうまく行えていない時に起こります。

血合いの下部分が一番色も濃く、味も濃厚です。血合いの下は三角やかまぼこ型の柵になるので、濃い色、目立たない細いスジ、三角・かまぼこ型を見かけたら真っ先に選びましょう。

ここまで書いてなんだけど、結局のところ自分の好みを知ってそこを買いましょうってことです。世界は「蓼食う虫も好き好き」なのです。
脂が多い方が好きなのか、赤身の濃い味の方が好みか、何の料理に使うのかによって選ぶものは変わるでしょう。

柵の切り方

柵を買った場合の切り方の基本です。

  1. 筋は直角に切る
  2. 筋は倒れている方向に切る(順目)
筋に対して直角に切る
包丁を矢印の方向に引いて切る

マグロは筋目とは逆に切っていくと良いそうです。

筋に逆らわないように順目に切るときれいに切れます。

表面を触ってみて引っかかるような感触があると逆目。
流れるような感覚があると順目。

筋がどこに倒れているのか、どこに流れているかを確認して、筋に垂直に順目の方に引きながら切ります。

逆目に切ると身が崩れやすく、筋に凹凸ができます。

逆目に切ると身が崩れやすい

柵を保存するには

冷蔵保存のポイント

ドリップが出ている場合、よく拭き取ってからキッチンペーパーで包んで、冷蔵庫で数時間置きます。その後ラップで包んで保存してください。そのままラップにくるむと、にじみ出た液が身に付くのでよくありません。
商品に記載されている賞味期限に従って、早めに食べるようにしましょう。

マグロの種類

クロマグロ

クロマグロは別名「本マグロ」と呼ばれ、マグロ界の王様として最も人気の高い種類です。

日本近海を含む北太平洋や大西洋で漁獲され、黒く光る魚体と3m近い大きな身体が特徴です。

クロマグロは高級魚で、天然物になると1尾で約100万円以上の値打ちがします。高額で取引されることが多いため、「黒い海のダイヤ」と呼ばれることもあります。

そんな高値ですから、天然のクロマグロは刺身一切れは千円以上するはず。スーパーで売られているのはこれよりはるかに安いので輸入か蓄養か、小型のものになる。

クロマグロの旬は冬で、鮮やかな赤い身と濃い旨味が特徴です。
主に、お寿司として料理される。

マグロのうち大トロがとれるのは、実はクロマグロとミナミマグロだけであり、クロマグロのトロは、滑らかな舌触りととろける脂が絶品らしい。(庶民には手が届かない…。)

ミナミマグロ

ミナミマグロは別名「インドマグロ」と呼ばれ、南大西洋の海域で漁獲されます。体長2.2m、体重160㎏にまでなります。

クロマグロに次ぐ高級魚として有名で、大トロがとれる種類でもあります。肉質は酸味が強く(鉄分が豊富なため)、濃い赤い身は濃厚で甘みもあります。トロ部分との境界線がはっきりしており、またトロも分厚い。

ミナミマグロは、ねっとりとした美味しい脂が特徴と言われ、寿司店で好まれて使われいます。

刺身やお寿司で食されることが多いミナミマグロの旬は夏ですが、近年は養殖も盛んに行われ、年中美味しいミナミマグロを味わうことができます。

メバチマグロ

メバチマグロは目が大きく頭部も大きいのが特徴です。
体長2.2m、体重160㎏に達するほどの中型種です。

メバチマグロは全世界の温暖海域で漁獲され、日本近海で獲れるものはやや小型な特徴があります。

メバチマグロの特徴は、鮮やかなピンク色とさっぱりした味わいです。「メバチマグロの大トロ」は、筋が固くて多く、大味であり刺身には向かない。特に関東で好まれている。

旬は11月〜2月頃となっていますが、全世界の温暖海域に生息するため、漁獲地によって異なる旬を持つ。

刺身や寿司種としての価値はクロマグロ、ミナミマグロに次いで三番目に位置します。
赤身を刺身やステーキにして食べられることが多いです。

キハダマグロ

キハダマグロは漢字で「黄肌マグロ」と書かれ、全体的に黄色味を帯びた姿が特徴のマグロです。

キハダマグロは、最大でも体長2.1m、体重175㎏。ミナミマグロやメバチマグロと同じ中型種ですが、日本近海で獲れるものは最大1.5m程度とやや小型なものが多いです。旬は夏。

キハダマグロは品のいいあっさりとした赤身が特徴で、身質がやや硬めです。身の色はピンクで、赤身の発色は弱い桃白色をしています。身質がしっかりしていることから刺身にしても形が崩れず、刺身やお寿司として食べられることが多いです。関西以南(中部含む)で好まれています。

脂は少ない種類のため、トロはほとんど取れず、缶詰の材料としても使われることも多いです。

ビンナガマグロ

ビンナガマグロは別名「ビンチョウマグロ」と呼ばれ、マグロの中では小型種です。

主に全世界の熱帯・温帯海域に生息し、体長1.4m、体重40㎏ほどで、マグロ類の中では珍しく冷たい水を好む。日本では北海道のわずかな領域でのみ漁獲することができます。

全体的に白っぽい色をしており、回転寿司などでは「ビントロ」と呼ばれることから、トロと勘違いされることがありますが、実際にはトロではありません。

柔らかい食感で、身の色は白が強い淡桃色。赤身のない白い物が「ビントロ」としては上物。。

ビンチョウマグロの旬は冬で、冬になると脂がのるため人気が高くなります。

スーパーや回転寿司などで手頃な価格で食べられるマグロとしても人気が高く、身に赤身が無く、味わいが鶏肉に似ていることでシーチキンとして欧米人には好まれた。シーチキンの原料として使われることも多いです。

クロヒレマグロ【黒鰭鮪】

クロヒレマグロ は別名「タイセイヨウマグロ」と呼ばれるが、大西洋のクロマグロと混同するしやすいので注意。
体長1m前後、体重20㎏と、 マグロの中では 小型種です。

西部大西洋に生息し、同じサイズのメバチと外見も肉質も似ています。メバチの小離ビレが黄色なのに対し、 クロヒレマグロは、名前の通り黒いので判別できる。

コシナガマグロ

コシナガマグロは、体長1.3m、体重35㎏ほどの小型種で、あまり出荷量の多くない珍しいマグロです。

コシナガマグロは旬が冬で、脂ののった身は刺身として食べられることが多いです。キハダとメバチの中間くらいの肉質です。

コシナガマグロは、主に産地で消費されるため、あまり出回ることはありません。

マグロの今後

マグロは世界中での日本食ブームにより、需要が急増。乱獲され続けた結果、個体数が大きく減りました。現在、漁獲を制限してはいますが、このままだと危ないらしい。養殖技術の発展に伴って、天然物から養殖にシフトしつつあり、すでにスーパーで見かける刺身はだいたい養殖になっています。

流行っていうのも困りもの。グローバル社会の弊害でもあります。

いいものとして世界に発信し、世界中で共有した結果、資源は枯渇し、値段は高騰。一般的に食べられていたものが一部の人しか食べられなくなってしまう。

日本の一般人➡世界の金持ち に天然マグロは移動中ということです。

参照・引用・出典

せり人ムタロー スーパー の 中トロ は〇〇を選べ! プロ の 目利き を 伝授 !【 魚目利き ・せり人ムタロー 】
せり人ムタロー スーパーで マグロ を選ぶコツは〇〇‼️プロの目利きを伝授!【 魚 目利き ・せり人ムタロー】
せり人ムタロー 正しいマグロ の 刺身 の 切り方 を教えます【 魚料理・せり人ムタロー 】
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飲食店独立学校 /こうせい校長 【板前の技術】マグロ刺身は切り方を知らないとボロボロになります
銀座渡利 【板前が教える】意外と知らない?マグロの筋の切り方【刺身の切り方/引き方】

何事にも結局のところ、バランスが大事

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