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ドラクエに見るファミコン音楽

PSG音源」と呼ばれる音源をご存知でしょうか? ファミリーコンピュータ(以下FC)で鳴っているあの独特の電子音です。ピコピコ鳴るヤツです。

今日はそんなファミコンに内蔵されている PSG音源 と呼ばれる魅力的なサウンドと、同時に鳴らせる音の「使用制限」について書いてみたいと思います。

「PSG音源」のPSGとは、Programmable Sound Generator(プログラマブル・サウンド・ジェネレーター)の略で、ウィキペディアの説明によると

ファミリーコンピュータに搭載されている音源は次のような仕様である。

・パルス波(矩形波)発生装置 2系統(デューティ比3:1、1:1、1:3、1:7切り替え)
・三角波発生装置 1系統(4bit波形、音量は仕様上固定だが、DPCMと絡んだバグに近い挙動が存在し、これを利用するといじることが出来る)
・ノイズ発生装置 1系統(擬似乱数雑音・短周期ノイズ切り替え、周波数変更が可能。ただし、最初期型(コントローラのボタンが四角いゴム)のファミコンでは短周期ノイズは出せない)
・DPCM 1系統
・ミキサー
この音源はファミコンのCPU RP2A03(6502カスタム)に組み込まれた機能の一つであり、pAPU(pseudo Audio Processing Unit)と呼ばれている。 pAPUのパルス波発生装置はゲームボーイ、ゲームボーイアドバンスにも搭載され、矩形波だけでなくデューティ比1:7パルス波などの独特な音色も出せる表情の豊かさがPSGの矩形波との大きな違いである。

出典元:Programmable Sound Generator - Wikipedia

つまり、

ファミリーコンピュータでは音を最大同時に「4音」鳴らすことが可能です

その「4音」は

  • 矩形波×2 主にメロディを担当する 音色が選択できる パルス波とも呼ばれる
  • 三角波×1 主にベースラインを担当する
  • ホワイトノイズ×1 主にリズム(ドラムパート)、効果音を担当する

となっており、三角波とホワイトノイズは各一音ずつで固定となっています。

最大同時発音数は3音と呼ばれたりもしますが、これは音階を持っている矩形波、三角波の同時発音数が最大3和音であり、これにノイズを含むと最大4音になります。

矩形波とは音色は選択でき「ピコピコ」と鳴るヤツ、三角波は「ポー」というような音、ホワイトノイズは名の通り「ザー」という雑音。こんな限られた音の中で音楽制作者たちは、矩形波をメロディライン、三角波をベースライン、そして、ノイズをドラムパートとして活用した。

ドラクエ1の音楽はほぼ2音で作られた

出典元:YouTube

 で語られている(1分16秒あたりから)

ドラクエ1は容量は64KBと少なかったので、ほとんど2トラック(2音)で作った
例えば、ドミソシという4音のハーモニーを2トラックで表現するために、分散和音を使った。
ドソミソドソミソとやれば1トラックでドミソが表現できる。
聴き減りのしない音楽(何回聞いても飽きない・くどくならない)を目指した

この画像のデータ容量が約67KB。つまりドラクエ1は、これより少ないデータ量。

分散和音について

「ドミソ」の和音を同時に鳴らすと、「ドミソ」の3音の発音数(3トラック)が必要になります。ですが、 「ド」→「ミ」→「ソ」と素早く順番に鳴らせば、発音数が1音で済みます。これが分散和音(アルペジオ)と呼ばれている技術です。たった1音だけの消費でまるで和音が鳴っているかのような重厚感が出せたのだ。

パルス波の切り替え

出典元:YouTube

↑ の動画(マツケん/ MatsukeN)さんの解説によるとファミコンのパルス波( 矩形波 )は3種類あり、それを切り替えたりして曲が造られていることが分かる。

そのほかにもDQ2では、減衰する音の音量を薄く残しておいてリバーブ(残響)効果を出したり、DQ3では、三角波を時にメロディラインとして用いることで独特の音色を表現してみせた。このように、容量の制限の中で可能な限りアイディアを詰め込んでいる。

12音技法的テクニック

またも、「 マツケん/ MatsukeN 」さんの動画から、ドラクエ楽曲で12音技法的テクニックが使われている曲の紹介です。

出典元:YouTube

そもそも「12音技法とは?」という方にはこちらの動画 (ぜろいち / Zeroichi's Piano Channel)が、わかりやすく解説されております。

出典元:YouTube

説明でもわかる通り、12音技法は、クラシック音楽の技法で、不気味な・不安なおどろおどろしい表現方法になります。

おどろおどろしいといえば「死の塔」DQ5です。 12音技法でもFCでもありませんが。

出典元:YouTube

NES BAND

NESとはFCのアメリカでの名前です。 「 マツケん 」さんは2011年にNES BANDを結成しておられまして、FC音楽の魅力を発信し続けています。

NES BANDのコンセプトは「ファミコン音楽の原曲の良さと、ファミコン本体からしか出せない音色の良さ」の2点を伝えることだという。

「ファミコン音楽の良さは3音+1ノイズという4 chしか使用できない“制約”のなかにあると思います。ソプラノ(1ch)、ベース(3ch)、パーカッション(4ch)だけでも音楽は成立するのですが、そこにアルト(2ch)が存在。この2chを“力技”でどう工夫するかがファミコン音楽の真髄だと思っています。『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』などの楽曲がまさにそうなのですが、2chパートはオーケストラ版などの他のバージョンにはないアレンジがなされている場合が多く、各ゲーム音楽の作家それぞれの工夫がなされていることが多いのです」

 さらにいえば、制約されているがゆえに、一つひとつのメロディがハッキリ作られていることも魅力の一つ。「今のゲームハード機は、音楽面ではほぼ何でも出来るので、言葉通りにBGM化してしまっている面はあるかと思います。一方でファミコン音楽は4chしかない。それで音楽を成り立たせられるのは、まさに“メロディの強さ”であるわけです。それが、今のゲーム音楽に比べて記憶に残りやすい要因の一つではあると思います。もちろん、今のゲーム音楽も素晴らしいものではありますが」

 “ファミコン本体の音色”の良さに関しては、当時の技術が発展途上だったゆえの良い意味での“チープさ”に秘密がある。「1ch、2chはパルス波と呼ばれる音であるのに対し、ベースの3chは三角波。ですがこれは当時の技術の関係で完全な三角波とはなっておらず、“疑似三角波”という特殊な音になっています。その音一つとっても、“ファミコン以外ではどこにもない”貴重な音となっており、それゆえファミコンは楽器としても魅力があるのです」

引用元:ORICON NEWS(https://www.oricon.co.jp/special/53480/)

最後も、「 マツケん/ MatsukeN 」さんの動画で終わります。

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