体にいい油というと植物性脂質で体に悪い油は動物性脂質と思っている人も多いと思います。
しかし、日本脂質栄養学会によると、動物の油が植物の油に比べて健康に悪いと考えられていた説は1990年代にはすでに否定されています。
では、体にいい油とは?
なんと、体にいいかどうかはその人がとっている油の比率によって変わるのです。
体にいいからといってたくさん摂りすぎても逆に健康にはよくありません。
昔のえらい人は言いました。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」と。
私たちは普段どんな油脂を摂っているのでしょうか?
油脂の種類を見てみましょう。
① ラード、ココナッツオイル、パーム油、大豆油など
パーム油は、マーガリン、チョコレート、アイスクリーム、ポテトチップス、カップラーメン、フライドポテトなど様々な製品に使われています。
② 牛脂、オリーブ油、ヒマワリ油など
③ 魚油、アマニ油、えごま油、シソ油、くるみなど
に分けられます。
これを見て、なぜオリーブ油や魚油が体にいいと言われているか分かりましたか?。
そうです。現在の日本では、あまり摂られていないからなのです。体に悪いと言われる油は普段、摂りすぎている油だから体に悪いのです。
だから、外食や購買が多い人は①を摂りすぎているので、②と③を意識して摂りましょう。
もくじ
SMP比が3:4:3
厚生労働省によると「SMP比が3:4:3 」がいいとしています。
SPMとは?
S = Saturated fatty acid(飽和脂肪酸)
M = Monounsaturated fatty acid(一価不飽和脂肪酸)
P = Poly un-saturated fatty acid(多価不飽和脂肪酸)
です。
油脂の分類についてみてみましょう。
①S = 飽和脂肪酸
ステアリン酸、パルミチン酸など。
獣肉油脂、牛乳、卵など動物性脂肪に多く含まれる。
植物性油脂にも含まれる。
②不飽和脂肪酸
M = 一価不飽和脂肪酸
オレイン酸(オリーブ油、ヒマワリ油、牛脂など)
P = 多価不飽和脂肪酸
リノール酸(ω-6系、大豆油、コーン油、ひまわり油など)
α‐リノレン酸(ω-3系、シソ油、ごま油、菜種油、アマニ油、くるみ等)
エイコサペンタエン酸(EPA)・ドコサヘキサエン酸(DHA)(魚油)
和食は「 SMP比が3:4:3 」のバランスが取れているということで、世界で健康食とされています。
リノール酸(ω6)とαリノレン酸(ω3)は食物から摂取するしかなく、
EPAとDHAは魚などから摂取するほうが効率はいい
現在の日本人の食生活は、 飽和脂肪酸とリノール酸を取りすぎているので、その油を減らし、α‐リノレン酸 ・ エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)を意識的に取ることによってバランスを取りましょう。
(リノール酸をとりすぎることによって、心臓・脳血管系疾患、欧米型癌、アレルギー性疾患、その他炎症性疾患が増える傾向にあるとされる。1日必須量は1~2gだが、現在の日本人は20g摂取しているといわれる。)
摂るのを控える油① トランス脂肪酸・飽和脂肪酸
トランス脂肪酸
マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングに含まれており、それを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物含まれているものがあります。(最近はトランス脂肪酸を除去したマーガリンも売られています。)
マーガリンを買うときはトランス脂肪酸が除去されたヤツで。
飽和脂肪酸
肉の油、乳製品の油(バターなど)、加工食品に使われているパーム油、ココナッツオイル などに多く含まれている。お菓子や揚げ物などでも定番の油。摂りすぎたら当然太る。
摂るのを控える油② n-6系多価不飽和脂肪酸(オメガ6脂肪酸)
オメガ6脂肪酸
リノール酸 ( 大豆油、コーン油、ひまわり油 )
オメガ6はオメガ3と共に必須脂肪酸。体には必要な油です。
オメガ6は摂りすぎると体の炎症を促進する脂肪酸で、肥満やアレルギーの原因とも言われています。現代人の食生活では、摂りすぎている油。
リノール酸は動脈硬化の予防効果などが期待される油なのですが、摂りすぎてしまうと、心臓・脳血管系疾患、欧米型癌、アレルギー性疾患、その他炎症性疾患と害が大きい。
オメガ6がオメガ3より優位な体の人は、炎症が起こりやすく、その結果老けやすい体になる。
逆に、オメガ3が優位な体の人は、体の炎症がやわらぐぎ、老けにくい体になります。
オメガ6とオメガ3の比率は、石器時代人1:1で、現代人は20:1となっている様です。
狩猟採集生活をしている人々(イヌイットなど)に心疾患や糖尿病などはかなり少ない。
厚生労働省の基準によれば、オメガ6と3の比率は4.5:1
- オメガ6 1日9g前後、総摂取カロリーの10%(22-30g)が上限
- オメガ3 1日2g程度
まずはここを目指しましょう。最終目標は1:1。
摂りたい油① n-3系多価不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸)
オメガ3脂肪酸 α-リノレン酸・EPA・DHA
魚油はエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA) を含んでいるので、積極的に摂りましょう。脳や神経組織を正常に保つとされ、脳の働きが良くなったり、うつ状態や痴呆を改善といった効果があるとされます。
α-リノレン酸はアレルギー疾患の予防効果があり、シソ油、ごま油、菜種油、アマニ油、くるみ等に含まれています。
ただし、オメガ3脂肪酸サプリメントやフィッシュオイルが効果的かどうかは不明。オメガ3は魚で摂ったほうが安全なのは間違いない。
青魚を食べよう
摂りたい油② 一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)
オレイン酸
オリーブ油、ヒマワリ油、アボカドオイル、牛脂 などの主成分。動脈硬化や高血圧の予防、腸の働きを活性化し、便秘予防に効果があるとされています。
「SMP比が3:4:3 」なので、一番とる油はオレイン酸。
普段使いする油をオリーブ油かヒマワリ油に変えるのもいいでしょう。(個人的にはヒマワリ油がおすすめ)
まとめ
- 魚を食べよう。
- オレイン酸(オリーブ油・ヒマワリ油など)をメインに
- お菓子・パン・ソーセージなど加工食品を控える
和食最強!